餅を喉に詰まらせた場合の対処法
正月には、お雑煮やおしるこなどのお餅を使った料理は欠かせませんし楽しみの1つですよね。
しかし、お正月になると高齢者がお餅を喉に詰まらせてしまった事故が毎年のようにニュースになります。
餅を喉に詰まらせ窒息状態が続くと、体に障害が残ったり死に至る事になりかねません。
そこで、お餅を食べる時の注意点やお餅が詰まった時の対処法をご紹介しますので参考にしてください。
高齢者が餅を喉に詰まらせやすい理由
餅などによる窒息事故の約9割は65歳以上の高齢者によるものです。
高齢者は、餅を噛み切る力や飲み込む力が衰えていたり、唾液の分泌量が少なくなっているため餅を喉に詰まらせやすいわけです。
それに加え、餅を喉に詰まらせてしまったときに咳き込んで吐き出す力も弱くなっているため事故になりやすいのです。
お餅は何歳から子供に食べさせてもいいのか?
小さい子は、餅を噛み切る力や飲み込む力が弱く餅を食べるのは危険ですので、餅は3歳頃までは食べさせないほうがいいかと思います。
そもそも、お正月だからといって餅を食べさせなければいけないということはありませんので、たとえ3歳になっても食べさせる必要は無いと思います。もし食べさせるときはひとりにせず見守って上げてください。
餅が喉に詰まらないように食べる方法
・事前に小さく切っておく
餅はかじりついて食べたいという人もいるかとお思いますが、より安全に食べるために無理なく飲み込めるサイズに前もって切っておきましょう。
・お茶やお水で喉を湿らせておく
口の中と喉を湿らせておくことで、餅が飲み込みやすくなり、喉にくっつくのを防いでくれます。
・よく噛み砕いてから飲み込む
大きいまま飲み込むと喉に詰まりやすいので、しっかりと噛み砕いてから飲み込むようにしましょう。
餅を喉に詰まらせた場合の対処法
1.異変に気づき、餅が詰まったことを確認する
喉に異物が詰まった場合、話しかけても返事ができなかったり、顔色が真っ青になったり、喉をつかむようなしぐさで苦しそうな状態になります。
その状態に気づいたら「餅が詰まったの?」っと声をかけ、うなずきで確認を取ります。
2.咳き込んで餅を吐き出すように指示をする
餅を詰まらせた人自身が咳き込むことが可能であれば、咳き込むことを促し餅がはき出されるか試します。
3.119番通報して救急車を呼ぶ
咳き込むように指示をしたら自力で吐き出されるかを待たず、すぐさま119番に電話して救急車を呼びます。
また、近くにAEDがある場所であればAEDの手配を周りの人に依頼します。
4.救急車が到着するまでに行うこと
救急車が到着するまでに何をするべきかは、意識の有無で別れます。
《意識がない場合》
意識がない場合は直ちに心肺蘇生をおこないます。もし心肺蘇生の途中で餅が簡単に取れそうな場合は取り除きます。
心肺蘇生は下の動画を参考にしてください。
《意識がある場合》
意識がある場合は餅を取り除くことを優先します。
餅を取り除く方法には、ハイムリック法(腹部突き上げ法)と背部叩打法があり、成人の場合はハイムリック法を優先しますが、何度か試して効果がなければ背部叩打法に切り替えます。
1歳未満の乳児、意識がない人、妊婦にはハイムリック法は危険ですので背部叩打法のみ行ってください。
また、途中で意識がなくなった場合には直ちに心肺蘇生を行ってください。
・ハイムリック法
1.後ろから両手で抱きかかえます。
2.片方の手で握りこぶしを作り親指と人差指の面をみぞおちの少し下にあてます。
3.もう片方の手を握りこぶしの手の上に重ねます。
4.両手を斜め上方向(手前)に瞬間的に突き上げます。
※ハイムリック法は剣状突起や内蔵を損傷する可能性があるので、行った場合は救急隊員にハイムリック法を行ったことを知らせ、医師の診察を受けましょう。
・背部叩打法
後ろから片手で体を支え、もう片方の手の付け根で左右の肩甲骨の真ん中あたりを力強く連続して叩きます。
《やってはいけない事》
・意識がない人へのハイムリック法
意識がない人にハイムリック法を行うと、胃から逆流したものが気道に入る可能性があり危険なので行ってはいけません。
・妊婦へのハイムリック法
妊婦にハイムリック法を行うと、流産の危険があるので行ってはいけません。
・乳児へのハイムリック法
ハイムリック法は内蔵を損傷する可能性があるので、乳児には行ってはいけません。
・掃除機を使って吸い出そうとする
掃除機で吸い出そうとするとノズルで餅を奥に押し込んでしまったり、肺に負担がかかるため推奨されていません。
おわりに
餅は喉に詰まると死に至ったり障害が残ったりする危険があることを理解し、餅を喉に詰まらせた場合の対処法をしっかりと覚えておいてください。
また、餅を食べるときは一人にせず、お互いに様子を確認しながら食べるようにしてください。